「レースを見ていると、ものすごくかっこいい名前の馬もいれば、思わず笑ってしまうような変わった名前の馬もいますよね。」
出馬表を眺めていると、「どうしてこんな名前をつけたんだろう?」「同じような名前の馬がたくさんいるのはなぜ?」と不思議に思うことがあるはずです。
実は、競走馬の名前(馬名)は、馬主さんが自由に何でもつけられるわけではありません。そこには厳格な「文字数ルール」や「禁止事項」が存在します。
この記事では、JRAの馬名登録ルールを面白く解説するとともに、名前の頭や後ろに付く「冠名(かんめい)」の意味をご紹介します。名前に込められた想いを知ることで、馬券予想とは少し違う、競馬の新しい楽しみ方が見えてきますよ!
競走馬のネーミング・絶対ルール
日本で競走馬としてデビューするためには、公益財団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナル(JAIRS)という機関の厳格な審査を通過しなければなりません。
カタカナで「2文字以上、9文字以内」
最も有名なルールが、文字数の制限です。
日本の競走馬の名前は、「カタカナで2文字以上、9文字以内」と決められています。
どんなに長い意味や壮大なメッセージを持たせたかったとしても、必ず9文字に収めなければなりません。
例えば、実況アナウンサーが噛みそうになることで有名な「スモモモモモモモモ(8文字)」などは、この文字数制限ギリギリを攻めたユニークなネーミングの代表例です。
NGな名前の条件
文字数以外にも、以下のような名前は登録できないという厳しい審査基準があります。
- 明らかな商品名や宣伝目的の名前: 企業名や商品の宣伝になるような名前はNGです。
- 実在の人物名: 本人の許可がない限り、有名人などの名前を勝手につけることはできません。
- 過去の有名な馬と同じ名前: ディープインパクトやオグリキャップなど、G1を勝ったような歴史的な名馬の名前は、その功績を保護するため、二度と同じ名前を登録することはできません。
よく見る「あの言葉」は馬主のマーク(冠名)
競馬を見ていると、「メイショウ〇〇」や「〇〇シチー」など、同じ言葉がついた馬が多いことに気がつきませんか?
冠名(かんめい)とは?
この共通の言葉を、競馬用語で「冠名(かんめい)」と呼びます。
これは、馬主(オーナー)が「この馬は自分が所有している馬だ」ということをファンにアピールするためにつける、いわば「苗字(ブランドマーク)」のようなものです。
- メイショウ(松本好雄オーナー):メイショウサムソン、メイショウドトウなど。
- シチー(株式会社友駿ホースクラブ):タップダンスシチー、ゴールドシチーなど。
- テイエム(竹園正繼オーナー):テイエムオペラオー、テイエムオーシャンなど。
冠名を見るだけで、「あ、この馬はあのオーナーの馬だな」とすぐに分かるようになっています。
有名馬主の冠名と、その由来
冠名の中には、とてもユニークなテーマを持ったものがあります。
例えば、「シゲル」という冠名で有名なオーナーは、毎年馬の世代ごとに「役職名」や「星座」などのテーマを決めて名付けを行っています。(例:シゲルシャチョウ、シゲルジュヤクなど)。
一方で、あえて冠名を使わないことで有名なオーナーもいます。
「マカヒキ」や「ソダシ」などを所有する金子真人オーナーは、冠名を使わず、その馬の血統や見た目の個性に合わせた美しく親しみやすい名前をつけることで知られています。
実況泣かせ?愛すべき「おもしろ馬名」たち
馬主さんの中には、ファンを楽しませるためにあえて「珍名」をつける方々もいます。実況アナウンサーを困らせ、ファンをクスッとさせる愛すべき馬たちを紹介しましょう。
「モチ」「オドロキ」「ビックリシタナモー」
- モチ: レース終盤、他の馬を引き離す時に実況アナウンサーが「モチが粘る!」「モチが伸びる!」と叫ぶたびに、お正月のようなおめでたい笑いが起こった名馬です。
- オドロキ: 実況で「先頭はオドロキ!」と呼ばれると、なんだかすごいハプニングが起きているような気分にさせられます。
- ビックリシタナモー: 9文字制限をフルに活かした見事なネーミング。レース名と一緒に呼ばれるだけで、なんだか微笑ましい気持ちになります。
こうした馬たちは、実力以上にファンから愛され、競馬場を和やかな雰囲気にしてくれます。
まとめ:名前に込められた願いを知ると応援したくなる
競走馬の名前は、ただの記号ではありません。
「9文字」という限られた枠の中に、馬主さんの夢や愛情、そしてユーモアがたっぷりと詰め込まれています。
週末のレースで出馬表を見た時、オッズやデータだけでなく「この名前にはどんな意味があるんだろう?」「どんな願いが込められているんだろう?」と想像してみてください。
それだけで、馬券を買っていなくても、その馬を全力で応援したくなるはずですよ。Smart Turfでは、これからも競馬の奥深い魅力を様々な角度からお届けしていきます!
